Nextremer、AIを活用した農作物の生産予測モデルを構築、高知県・富士通と共同で実証開始

 AIの社会実装拡大に取り組む株式会社Nextremerは、高知県、富士通株式会社と共同で「高知県園芸品生産予測システム」を開発、2019年1月下旬よりシステムの実証を開始する。

Nextremer、AIを活用した農作物の生産予測モデルを構築、高知県・富士通と共同で実証開始
■背景
Nextremerではこれまでも、一次産業におけるAIの社会実装を目指し、高知県内において農産物の生産性向上などを目的とした研究に取組んで参りました。

高知県では、農作物の出荷時に機械で等階級(※1)を自動判別するとともに、形状などの品質データを記録し、翌日以降に出荷データとして生産者に紙で手渡しています。

しかしそれらデータは農作物の生産過程に活かされておらず、また販売面においても、近年増加傾向にある量販店などの大口予約相対取引(※2)において、最低でも2~3週間先の出荷量を把握できないと有利な条件で取引できないという課題がありました。

これらの課題を解決し、生産者の安定的な生産と取引を支援するため「FUJITSU Intelligent Society Solution 食・農クラウド AkisaiPF(アキサイプラットフォーム)」(※3)により、生育データや出荷データ(ハウス内の環境データや気象データを含む)を一元管理、さらにNextremer構築の生産予測AIを組み合わせた「高知県園芸品生産予測システム」を開発、この度の三者共同実証が決定しました。


【検証内容】
(1)農作物の生育から出荷までのデータを一元管理:

農作物の品質データと出荷データを「高知県園芸品生産予測システム」で一元管理し、営農指導への活用などにおける有効性を検証します。

(2)出荷情報を生産者へ迅速に共有:
生産者は最短で出荷翌日に、パソコン、タブレット、スマートフォンなどから「高知県園芸品生産予測システム」で管理する出荷情報を確認が可能です。生産者における生育管理や収穫時期の調整などへの有効性を検証します。

(3)AIを活用し農作物の生産量を予測:
生育データ(着果数等)とハウス内の環境データおよび気象データ(予報)を教師データとして、最大3週間先の収穫量予測、有効性を検証します。


■注釈
(※1)等階級:農作物の品質を表す等級と大きさを表す階級の総称。
(※2)予約相対取引:卸売業者と仲卸業者または売買参加者との間において、あらかじめ締結した契約に基づいて確保した物品の卸売りを行うこと。
(※3)富士通が提供する、食・農クラウド Akisai(秋彩)は、「豊かな食の未来へICTで貢献」をコンセプトに、生産現場でのICT活用を起点に流通・地域・消費者をバリューチェーンで結ぶクラウドサービス。露地栽培、施設栽培、畜産をカバーし、生産から経営・販売まで企業的農業経営を支援する。