国際的なデザイン・イノベーション企業であるCarlo Ratti Associati社では「C40 Cities Climate Leadership Group」の国際コンペにて最優秀賞を受賞した。
同社では、イタリア・ミラノ南部にある工業エリア(Via Serio)の空き施設を、植物を豊富に導入したデザインを提案したもので、ハイテク企業のオフィスや研究者を集約した最新のハブ施設としてリニューアルオープンする予定。
コンペを主催した「C40 Cities Climate Leadership Group」とは、世界経済に大きな影響力を持つ90の都市が参加しているグループであり、90の都市全体で、人口が約6.5億人以上・世界経済の4分の1を占めている。日本では東京と横浜の2都市だけが本グループに参加している。
本プランは、約200メートルにも渡って、建物の側面を取り囲むように、屋上まで続く植物ロードを整備するのが最大の特徴。実際に野菜を栽培することも可能で、一部には温室ハウスや水耕栽培システムも導入する、という。
住宅に関する技術ノウハウ HabiTech ハビ・テック
自然環境に密接した生活環境を実現するBiophilic Design『バイオフィリック・デザイン』を採用
建物の構造などは、不動産開発なども行うCovivio社と行い、環境に関する専門家を集めた ”HabiTech(ハビ・テック『住宅に関する技術ノウハウ』)” コンソーシアムを形成してプロジェクトを進めてきた。
また、今回の建物は1階に地産地消型レストラン、研究開発型の企業オフィスや科学専門機関、さらには海外からの研究者のためのゲスト・ルームなども整備する。
建物のテーマは、Biophilic Design『バイオフィリック・デザイン』。建物の居住者や利用者(オフィス・ワーカー等)が、植物などの自然環境に密接した空間で過ごせるように工夫されている。
近年では都市エリアでも、最新のテクノロジーを利用することで、植物に囲まれた自然環境で生活しているような空間を実現することも可能となっている。
欧米のオフィスでは、こうしたBiophilic Design『バイオフィリック・デザイン』や、BIA『環境志向型アグリビルディング』のような建物を整備し、世界から優秀な人材確保と、クリエイティブ&快適空間オフィスを提供するような事例も増えている。
今回のイタリア・ミラノの計画も、単なるデザイン・アイデアではなく、2019年の後半より実際に建設が開始する予定となっている。