UAEアブダビにて、建設が進んでいた太陽光利用型植物工場について、第1フェーズの施設5haが完成し、トマト苗の定植がスタートした。年間で5,000トンの高品質トマトを周年生産し、現地の卸売・小売企業への販売を予定している。
本プロジェクトは、ドイツのBayWa社と、UAEアブダビを拠点とするAl Dahra Holding社による共同プロジェクト。Al Dahra BayWa社という合弁会社を設立し、総投資額・約40億円(3,000万ユーロ)をかけて、最新の太陽光利用型植物工場を建設し、UAE国内や周辺のGCC諸国への販売を行う。
食品自給率が低いUAEでは、食料安全保障という観点からも、自国内での生産は重要であり、近年は地産地消・高付加価値の野菜・果物の国内需要も高まっている。
今回、稼働した施設は5haだが、近日中に、さらに5haの施設稼働が予定されており、最終的な面積は15ヘクタールを予定。栽培施設は、ICTを活用した環境制御により、省エネを実現。
また、砂漠エリアにて貴重な水資源については究極な節水・リサイクル技術を導入した。潅水にて使用する水は、同様の施設栽培と比較しても60%減を実現できる、という。
ドイツのBayWa社グループは、農産物のほか、自然エネルギーの発電、建設資材の販売などを手掛ける大手企業。世界最大の農産物商社であり、農作物・農機具の販売も行っている。今回は栽培施設だけだが、将来的には自然エネルギー発電施設と併設した植物工場の建設も視野に入れている、という。
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