米国農務省(USDA)では、小規模農家や近年、市場規模が拡大しつつある都市型農業に合わせた資金の貸し付けプログラム「EZローン」を実施する、と公表した。
本プログラムは小規模・家族経営農家やベンチャー企業に対して、簡易的な手続きのみでUSDAの認可機関が最大で1万ドルまで貸し付けるもので、主に農地取得や生産施設に充てられるものを想定している。
2012年の米国の農業センサス調査では、全農家の75%は年間売上が5万ドル以下となっており、小規模農家に分類されている。本ローンも既存農家に対しては規模拡大や生産効率を高めるためのテクノロジー導入に活用され、さらには小規模な植物工場や屋上菜園などに挑戦する都市型農業ベンチャーも対象となる。
本プログラムは国民からのチェックやコメントを受けるために米国農務省(USDA)より90日間公開される。問題がなければ正式にサービスが提供される見通し。
政府はフード・システムが脆弱な都市部(特に生産部分)、過酷な気候条件で営農が難しいエリア(新産業育成・雇用創出のため)などでの地産地消を推進しており、植物工場などハイテク農業や健康・環境にも配慮した有機農業に期待が集まっている。
こうした「消費者」と「食」とつなげるサービス・地産地消ビジネスを確立するために政府は2009年から4,000以上の地産地消ビジネスや食インフラ関連のプロジェクトに対して、総額10億ドル以上の投資を行ってきた。
米国における地産地消ビジネスの市場規模は2008年の50億ドルから2014年には120億ドルまで拡大しており、今後も成長市場の一つになりそうだ。
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