シンガポール、植物工場のような多段式・ハイテク水産養殖施設が新たにオープン予定

 シンガポールの政府機関である農産物・家畜庁(AVA)では、1次産業のハイテク化を進めており、生産者へリースする際に農業分野では多段式・植物工場のような高い生産性を実現する企業に対して、優先的に土地をリースしているが、魚・水産物の養殖についても同様である。


シンガポール政府、植物工場などハイテク農業を推進。農地リースも20年へ延長
シンガポール政府による競争入札。植物工場などハイテク農業の入居8社が決定


AVAは昨年、リン・チュー・カン(Lim Chu Kang)エリアにある62の生産者(水産農家含む)に対して、別の用途に利用するため契約の更新を行わず、リース期間が2021年までに終わることを発表した。

一方で、上記の62の生産者に対しては近隣エリアの土地を20年リースにて、36区画用意したが、新たに政府が用意した土地は60haほどで、全ての生産者が新しい土地に移れるわけではない。

政府は入札制度を設け、価格競争よりも、サステナブルかつ、生産性を高める革新的な技術導入を進める意欲があるかどうかを判断して、土地のリースを行うことにしている。

植物工場のように魚も多段式に養殖
生産性も18倍と比較的に向上「アポロ アクアリウム社」

こうした入札制度にて、新たに土地を確保したのがシンガポールにて水産物の養殖を行う「アポロ アクアリウム社」と「ブルー アクア社」である。

同社ともに、固定価格契約にて約1.5haの土地を約4,000万円にてAVAからリース契約を行った。また「アポロ アクアリウム社」は2カ所の土地のリースが決定しており、2つ目は約2.4haで約6,300万円となっている。

シンガポール、植物工場のような多段式・ハイテク水産養殖施設が新たにオープン予定