カリブ海地域にあるバルバドスでも、植物工場ベンチャーが注目を集めている。40ftタイプのコンテナ型植物工場を稼働させたIno-Gro社では、レタス・水菜・ハーブ類などの葉野菜を地元のホテル・レストランへ販売を開始した。
同社では米国から最新技術を導入したため、大きな初期投資が課題となっている。また、流通ルートや新たな販路開拓にも苦戦が予想された。
しかし、日本とは異なるビジネス環境や起業家の熱い信念、ITを活用した農産品のマッチングサイトを推進するホテル・レストラン側からの要望により、カリブ海のハイテク農業ビジネスが成功する可能性は大いにあるだろう。
植物工場・アグテックAgtechへの投資額8億ドル以上
調査会社CB Insights社によると、2012年~2016年までに農業技術(アグテックAgtech)に対して、世界市場にて総額8億ドル以上が投資された、と推計されている。
Agtechといっても、新たな食材開発や環境技術など幅広いテーマが対象となり、植物工場も代表的な技術テーマの一つである。
Agtech系ベンチャーが盛んな米国から、地理的にも近いカリブ海エリア。この地域は多くの島国から構成されており、農産品・食品の多くを周辺国からの輸入に依存している。
こうした現状を改善するため、植物工場をはじめとするハイテク農業に期待が集まっているのだ。
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バルバドスを拠点、植物工場ベンチャーIno-Gro社
2016年に設立したIno-Gro社は、カリブ諸島・バルバドスにて40ftコンテナ型の植物工場を稼働させ、葉野菜の生産を行っている。赤・青系のLEDを基本として、米国では増えている垂直式(縦型)[例:Plenty社の植物工場(関連記事)]を採用した。
コンテナ型植物工場では、週に40kg前後を収穫。主に3種類のレタス、水菜、ミント、バジルを生産。まとめて収穫した野菜を毎週、ホテルやレストラン、地元住民が集まる直売所などに販売している。