福島県二本松市では、かねてより「菊人形」や、一本の茎から数百、数千の菊花を咲かせる「多輪咲」などの高い技術による「魅せる菊」づくりを続けており、2016年に二本松の菊の魅力向上を目指す「菊のまち二本松ブランディングプロジェクト」を立ち上げました。
この度、プロジェクトの趣旨が理解され、シンガポールの象徴である、人気植物園『ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ』のフラワードームエリアにて2018年9月中旬より見頃が終わるまでの約一ヵ月程度、二本松市の菊「千輪咲」を試験展示いたします。
「千輪咲」は、一本の茎から枝分かれを繰り返させて千もの花を咲かせるという独特な技術により作られる菊の花で、二本松市から海外への輸送・展示は初めての試みとなります。
◆「菊のまち二本松ブランディングプロジェクト」PV完成
「千輪咲」は、園芸菊の粋を極めた職人が約二年の歳月をかけて、一本の茎から枝分かれを繰り返させて千輪もの菊花を咲かせるまでに育てあげた生花です。
二本松市でも栽培できる職人は数人のみという希少な技術で、育て始めの一年は枝数をたくさん増やすため、茎の先端だけを摘んで枝分かれさせる「摘芯」という作業を繰り返します。
さらに開花を抑制するために、夜間も光を当てて管理します。二年目になると、花芽を育て、つぼみをつけます。つぼみ一つひとつに、花を支えるための「輪台」を付けながら、ドーム型の枠に合わせて花の位置を固定して仕立てていきます。
生花であるため、花持ちの良い菊といっても、開花は約四週間程度。限られた期間に大輪の花を咲かせる様子は、花火を思わせ、日本的な情感を誘います。
「菊のまち二本松ブランディングプロジェクト」について(http://senrinzaki.jp/)
福島県二本松市では、かねてより菊人形や千輪咲等の高い技術による「魅せる」菊づくりが行なわれてきましたが、その利用は限られた範囲にとどまっていました。
これまでは、いわゆる「菊まつり」や「品評会」といったような、花そのものを鑑賞する場への出展が主となっていましたが、これからはより広く多様なシーンで、空間の彩りに菊を活用していただきたいと考え、本プロジェクトを立ち上げることとしました。
二本松市ならではの菊の魅力向上を図るとともに、より効果的な訴求を行い、市内経済の好循環化を目指します。
二本松の菊がブランド化されることにより、菊花栽培技術の伝承、技術を活かした花木庭園再生によるまちづくりや本事業を利用した菊にちなんだ「菊コレクション」(菊に関連したモチーフ、土産品、グッズ等)の新規創業・新分野進出、菊を観に来る来訪者の増加により、観光関連事業等の雇用増加を見込んでいます。
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