ブリュッセル、欧州初の小売スーパー内にある屋上ファームが収穫ピークへ

 ベルギー・ブリュッセルにて、アホールド・デレーズのグループが昨年10月より開始した「小売スーパー統合型」屋上ファームの収穫がこの夏、ピークをむかえている。

同社では、2017年10月より、ベルギー・ブリュッセルのスーパー1店舗にて屋上ファームの実証を開始。昨年は5種類のレタス、ベビーリーフやクレソンなども栽培し、約5,200株を定植・収穫した。

さらに今年に入ってから、葉野菜の他に、イチゴやトマト、ナスなどの果菜類の栽培を開始しており、スーパーの店頭では既に店産店消型の自社ブランド・トマトが販売されている。

ブリュッセル、欧州初の小売スーパー内にある屋上ファームが収穫ピークへ
屋上ファームで栽培したトマト(200g)が、スーパー店頭にて1.2ユーロ(約160円)で販売。レタス等の葉野菜も陳列されている

環境志向型アグリビルディングを実践

 同社による屋上ファームの面積は約360m2。主に温室ハウスだが、その他に露地栽培も行っている。点滴灌漑による水供給などの小さな電力使用は、屋上に設置した太陽光発電にてまかっている。

その他、スーパーの店内を冷却する際に発生する排熱を温室ハウス内にて再利用。将来的には排出されるCO2も回収・精製して利用する計画もある、という。

ブリュッセル、欧州初の小売スーパー内にある屋上ファームが収穫ピークへ
こうした取り組みは、同社が『地域貢献と環境保全活動』に力を入れており、具体的には、CO2排出量の削減、サステナブルなローカルフーズの普及を顧客に約束・宣言していることが大きく影響している。


アホールド・デレーズは、21のブランドにて、世界で約6,500店舗のスーパーを運営している巨大企業である。

同社は2050年までに、グループ内の温室効果ガスの排出量を、2010年比から40~70%削減することを表明している。

屋上ファームでは、スーパー建物内の冷却にて発生する排熱・CO2を再利用することが可能となり、環境志向型アグリビルディング(BIA:building integrated agriculture)を実践していることになる。

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小売スーパー・屋上ハウスは欧州初。年内には2カ所目を検討中

 現在稼働している屋上ファームは、アホールド・デレーズの子会社であるデレーズ・ベルギーが、ハウス建設から栽培メンテナンスの全てを担当・管理している。

他のEU諸国でも、屋上にて露地や温室ハウス、コンテナ型の植物工場を設置する事例はあるが、小売スーパーの建物屋上でのハウス栽培は欧州初になる、という。

収穫は毎朝8時に行い、約1時間後には店頭に商品として陳列される。約10カ月、店産店消型の都市型農業を実践し、周辺住民や学生の見学を受け入れながら、自社農場ブランド構築を行ってきた。

さらに、ビジネスパートナーとの交渉も同時並行で行われており、同社によると、年内にはブリュッセルにある別店舗スーパーの屋上ファームをオープンさせ、民間企業パートナーが農場運営を行うような形を目指している、という。

● ベルギー・ブリュッセル「アホールド・デレーズ」の屋上ファーム

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