アジア諸国の中では、エネルギー資源に恵まれ、経済の多くを石油に依存しているブルネイが、新たな産業として力を入れているのが、ハイテク化された「水産・養殖」分野である。
水産業とは異なるが、多くの水資源を使用するため、海上近くに建設が予定されている藻類培養プラントでは、日本企業による進出も予定されている。
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環境制御やモニタリング装置、ICTといったハイテク技術を活用しながら、世界でも有数の養殖大国を目指しているブルネイ。特に、同国が期待を寄せている品目が「エビ」(クルマエビ類)である。
養殖業の産出額を2020年には約325億円へ
天然資源や観光分野を担当するMinistry of Primary Resources and Tourismでは、5年計画にて、漁業関係者や民間企業とのジョイントベンチャーの設立、研究機関の整備や共同研究のマッチングなど、養殖分野が、国としての一大輸出産業になるべく支援をスタートさせている。
ブルネイでは、2015年における養殖業の産出額は約7.3億円(900万ブルネイドル)だが、国による集中的な資金投入により、2020年までには一気に、約325億円(4億ブルネイドル)まで、引き上げる計画もある。
シンガポール企業によるハイテク養殖施設の建設も
ブルネイでは海外からの投資誘致や技術移転にも積極的である。例えば、シンガポールの大手養殖会社のバラマンディ・アジア社は、ブルネイ政府との取引に合意し、約240億円(3億ブルネイドル)の投資を行い、年間で4万トンのバラマンディを養殖することになっている。
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