英国のNFU Mutual社による調査報告書によると、英国において、窃盗をはじめとする地方犯罪の被害総額が急増しており、2017年で約63億円にも上る、という。
特に2010年以降から増え始め、前年比から13.4%増。最も増えた地方は「ウェールズ」となっており、前年比から41%増、となっている。
地方の犯罪は様々あるが、中でも多いのが「農家」を対象とした窃盗事件。地方では広大な面積を管理するため、大型トラクターを保有していることも多い。
例えば米国やオーストラリアなどの超・大規模農業で使用するトラクターは『数億円』といった高額商品もある。また、機械を保管する倉庫と住まいは別に分かれており、侵入しやすいといった理由もあるようだ。
地方農家における農業機械の被害額は2017年で「8億3,000万円」。日本でも野菜価格高騰時には、高値で販売できる農産品の窃盗事件も発生していたが、英国でも同様で、農作物や家畜(牛・豚・鶏など)が盗まれることも多く、その被害額は「3億4,000万円」となっている。
また、窃盗事件の中には計画的なものもあり、農家が開発した新品種の動植物だけを狙うケースもある。
こうした窃盗に対して農家では「敷地内にはバリケードを張り、車が通れる入口を1カ所にする」「農業機械を保管するエリアには高いフェンスを設ける」「敷地内に犬などを飼う」といった形で対応しているが、広大な農地全体を警備することは現実的には難しい。
そこで、注目されているのが警備ドローンである。ドローンがあれば、深夜でも周囲を飛行して自動警備を行うことができる。近年では、家畜の移動・放牧管理と同時に警備してくれるような多機能型も人気である。
英国の農家でも導入を検討する人が増えているようで、技術ノウハウや農業機械を守るために、新たな対策が必要となっている。
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