砂漠に覆われているサウジアラビアにも農業が盛んな「緑のオアシス」が存在

 国土の大半を砂漠に覆われているサウジアラビアでも、様々な植物が栽培され、農業が盛んな『緑のオアシス』がある。それは、南西部に位置するアスィール州の「ビーシャ」である。

このエリアには、約190万本のヤシの木(palm tree)が並び、レモンやブドウ、デーツ(ナツメヤシ)など、現地の人々が毎日食べている食材を、完全無農薬オーガニックで栽培しているのだ。

砂漠に覆われているサウジアラビアにも農業が盛んな「緑のオアシス」が存在
その他、アラビア地方に生育している『sidr(シドル・シダール)』(和名: キリストノイバラ)の木も栽培されており、熱帯乾燥の厳しい環境でも育てることができる植物だ。

その木から取れる蜂蜜(シドルハニー)には、マヌカハニーと同様に、高い機能性が期待できるとして、注目食材の一つである。


このアスィール州の「ビーシャ」は地理的にも非常に恵まれた地域であり、農業に適した肥沃な土壌が存在し、山に囲まれた・谷になっている場所である。

そして、農業の多くを雨水に依存しているが、山から雨水が流れ込み、周辺にある4つのダムに水が貯水され、農業用水として使用されている。

砂漠に覆われているサウジアラビアにも農業が盛んな「緑のオアシス」が存在
自治体としても、農業は重要産業として位置付け、資金的な支援や厳格な栽培基準(農薬を使用しない等)を設けているが、生産者としては、昔から変わらない形で栽培しながら、無農薬・オーガニックを実現しているような形である。

栽培された果物や食材は、高品質であることから、サウジアラビアだけでなく、近年は海外への輸出も増えている、という。