イギリス・ロンドン北東部のイルフォードにて、屋上に太陽光利用型植物工場を併設したフードコート施設「Mercato Ilford」が建設される。フード・マーケットを運営するMercato Metropolitanoの3カ所目の施設となる。
完成は前後する可能性もあるが、今年10月のオープンで建設が進められている。
建物は、イルフォード市役所の裏にある、5年以上に渡って使用されていなかった駐車場を再利用する。建物内には、30以上の出店と600席のフードコートを整備。食事だけでなく、地元の野菜を販売するファーマーズマーケットも常設する。
なお、食ビジネスに関わるベンチャー企業が集結するインキュベーション施設、アーティストの作業スペースとしても機能させていく、という。
屋上ファームの施設は、約1,200m2となっており、年間で60~80トンの野菜を収穫できる。太陽光利用型の植物工場となっており、日照時間が短いロンドンにて、周年生産ができるようにLED照明による補光システムも導入される。
具体的な栽培品目は不明だが、レタスやほうれん草などの葉野菜、果菜類を生産していくようだ。その他、料理教室なども開催し、地元の食育にも貢献していく。
本プロジェクトについては、地元議会の協力もあり、Good Growth Fundなどから約2億円の投資を受けている。
次世代型の都市開発・コミュニティーづくりが評価されており、農場やフードコートから出る食品廃棄物は、微生物による分解を受けて、発生する熱と電気を利用するなど、サステナブルな形となっている。
[関連記事]
・ブリュッセル、欧州初の小売スーパー内にある屋上ファームが収穫ピークへ
・ベルギーの都市型農業ベンチャー、約1.5億円をかけて屋上ファームを整備。5年後に150カ所の農場を計画
・リアルな小売店舗の未来。植物工場・屋上菜園を導入したサステナブルなショッピングモールへ
・ニューヨーク、13階建て屋上ファーム付きグリーンビルディング住居が竣工
Editor's Picks
-
田んぼに浮かぶホテルがコンセプト、スイデンテラスがリニューアルオープン
-
緑演舎による造園家がプロデュースする個人住宅向け「GARDENNERS HOUSE」事業をスタート
-
ミラノ都市部で自然に囲まれたオフィス空間を実現。ハイテク企業や研究者のハブ施設へリニューアル
-
シンガポールの高層住宅タワーをリニューアル。屋上には住民参加型の菜園も整備
-
メルボルンに駐車場スペースを活用した屋上農園「スカイファーム」が来年に完成
-
台湾の青果市場、屋上に農場を導入した最新施設として2020年に完成予定
-
ロンドン、屋上に植物工場ファームを併設した地元フードコート施設を開設
-
UAEの陸上養殖ベンチャー『Fish Farm社』サーモンなどの魚を本格販売へ
-
カナダの大学が連携。クリーン・エネルギー技術を活用した『高層タワー型の植物工場』を計画
-
海面上昇の対策、海洋に浮かぶ街「フローティング・シティ」食料やエネルギーの自給自足を実現