イタリア・ミラノ、世界113都市が都市型フード基本協定に合意。植物工場・都市型農業の必要性も確認

 イタリア・ミラノでは「地球に食料を、生命にエネルギーを(Feeding the Planet, Energy for Life)」をテーマにミラノ万博が開催されているが(参考記事)、同イベント開催期間に合わせて10月15日、世界の代表都市の市長を集めた都市型フードシステム・サミットが開催された。

本会議では世界113の都市が集まり「ミラノ都市型フードに関する基本協定」に合意した。北京、上海、ブリュッセル、ドバイ、京都、ロンドン、メキシコシティ、モスクワ、ニューヨーク、サンフランシスコ、パリ、ローマ、サンパウロ、ソウルなど、代表的な都市が参加した。

今後、サステナブルなフードシステムを構築し、健康的な食事の提供と食育などの教育、食品廃棄物の削減に関する具体的なプランを実行していく。


 2050年には90億人以上の人口拡大と、その70%が都市部に集中することが予測されている。こうした近い将来に起こりうる課題に対して、世界中の都市が協力し、共通目標値を設定した形で推進することが望ましいという認識の下、本会議が実現した。

多くの都市開発では現在、住民に対して十分な食料や水を確保・提供することができず、食の安全性や栄養価(食育)に関する教育も浸透していない。

近年に急速な経済成長を遂げた都市は富裕層・中間層にて肥満率が加速化し、成熟した一部の都市では低所得者にはカロリーが高く不健康な食事しかアクセスできず、低所得者を中心に肥満や生活習慣病が拡大しているケースもある。

 各自治体、民間企業、市民団体やNPOなどが連携しながら、こうしたグローバルな都市問題に対して解決することが必要となる。本協定では、都市部や周辺エリアにて限られた面積でも高収量が可能な植物工場や環境制御技術といった新技術イノベーション、既存とは異なる新たなフードシステム(地産地消やファーマーズマーケット、CSA・地域支援型農業)の構築の必要性が確認された。

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