南極や北極、宇宙など過酷環境下にて、植物工場技術を活用した食料生産の研究が本格化している。今回は南極にあるドイツのノイマイヤⅢ基地(Neumayer Station Ⅲ[下写真])でも、完全人工光型植物工場にて野菜の収穫を行われた。
外気はマイナス20度以下になる南極にて、基地内で働く人たちに対して、新鮮な生鮮野菜を安定的に供給できる植物工場には大きな期待を寄せている。
植物工場では、レタス等の葉野菜3.6kg、18個のキュウリ、70個のミニ大根を収穫した。現時点では果菜類は少量であり、少ない光でも栽培可能な葉野菜の生産が中心となっている。
本プロジェクトは、ドイツ航空宇宙センター(DLR)が全体の管理を行い、アルフレッドウェゲナー極地海洋研究所の科学者が基地内の栽培を行っている。今後は、5月までには生産量が増え、週に4-5kgの果菜・葉野菜類の収穫が可能になる、という。
南極での植物工場による野菜の生産は、日本の昭和基地や米国など、各国が競争して研究を進めている。
その他にも、北極エリアでの植物工場ベンチャーの出現、宇宙関連では国際宇宙ステーション内での導入、将来的には火星での植物工場導入も具体的に検討されており、ロシアや中国なども、大型施設を国内研究機関に整備して、準備を進めている。
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