日本では、あまり馴染みの無い「カザフスタン」。石油、天然ガス、石炭など、豊富な天然エネルギー資源と、大統領による強力なリーダーシップのもと、中央アジアでは最大の経済成長を遂げている。
首都アスタナでは、夜でも光のイルミネーションが常に点灯されており、未来都市のように美しく整備されている。そして現在、カザフスタンが力を入れている事業が農業、特に植物工場のようなハイテク農業である。
同国が普及を進めているのは、温湿度や日射量、CO2濃度といったセンサーを導入し、データ蓄積と解析によって、最適な室内環境を自動制御できる太陽光利用型植物工場の分野である。
そのために、この分野にて高い技術力を持つオランダ、韓国からの設備プラントや栽培技術の導入に力を入れている。
カザフスタンの冬は非常に厳しい。首都アスタナのある北部エリアでは、最低気温が-20℃を下回ることもある。3月末現在、首都アスタナの最低気温は-17度である。
施設園芸が集中する南部エリアでも氷点下となり、南部の都市アルマトイ(Almaty)でも、1月の最低気温は-10℃を下回る。
こうした厳しい環境条件の中、カザフスタン南部の都市「トゥルケスタン」では、韓国の太陽光利用型植物工場の技術ノウハウを活用して、3重のハウスフィルムを導入して試験栽培を行っている施設もある。
上記の施設は現在、試験栽培中だが、3,500m2の施設にて、約1万2,000株のパプリカを定植している。3重のハウスフィルムを導入することで、一度、加温するとハウス内の温度を一定期間、持続させることができる。
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