Eco Energy Asia社では、カナダのメトロバンクーバーにて、ドーム型の温室ハウス(試作品)を建設し、地元農家へ納入した。
国内におけるドーム型の植物工場(太陽光利用型)の開発では、グランパ社が有名だが、海外でも同じような生産方式の開発が進んでおり、今回はドーム型施設にて、イチゴの多段式栽培を行う。
今回の実証施設は約300㎡にて、室内には約6,000株のイチゴが定植されている。通常の温室ハウス(高設栽培)における定植株数の約3倍の数となっているが、平面ではなく垂直・多段式に栽培ポットを設置している。
ドームハウスの素材はエチレン・テトラフルオロ・エチレン(ETFE)を採用している。ガラス温室より軽量であること(同じ設置面積では1%程度と軽量である)、光を効率よく透過させ、デザインや表面加工によって室内への光拡散が可能であること、メンテナンスも容易である点などが大きなメリットである、と主張する。
本施設では電気を利用して室内を暖めているが、将来的には地熱や周囲にある温泉排熱などを利用しながら、自立可能な生産システムを確立させ、野菜や食料が必要となる場所に輸送・即座に設置できるような形を目指している。
世界の都市人口が拡大している中で、都市型農業の需要が高まっていることから、Eco Energy Asia社では、屋上や室内など空きスペースを活用しながら、低コストに建設できるドーム型システムの開発も行っている。
今回の設備投資には約1,600万円を投じたが、現在は中国や香港にて大規模なドーム型植物工場の建設を計画している、という。
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・香港のエコ・エナジー社が中国本土にてドーム型植物工場プラントの本格販売へ
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