徳島文理大学は、東西電工株式会社と共同で、施設園芸・植物工場向けの新型LEDライトを開発し、植物のタデ藍に含まれるインディカンの収量が2倍以上に増加することを実証した。
同社は今年度中にLEDライトを製品化し、順次発売していく計画。
この新型LEDライトは、昼間の100万分の1程度の光強度でパルス発光するのが特長で、消費電力は栽培面積200平方メートルあたり5 W以下である。徳島文理大学ではこれまでに、パルス光の発光時間、発光周期、光強度が特定の組み合せのときに、レタスやイチゴの生育が促進されることを明らかにしている。
今回は、この新型LEDライトを藍染料の原料であるタデ藍の施設園芸栽培に応用し、パルス光照射条件と生育の関係を調査した。
その結果、日没後にLEDライトを一定時間照射することで、生葉の収穫重量は1.7倍に、生葉単位重量あたりのインディカン(※)量は1.3倍になり、作付面積あたりのインディカン量は、パルス光照射によって2倍以上に増加することが判明した。また実験室で行った栽培試験でも、生葉の収穫重量がパルス光照射により1.7倍に増加している。
今後は、開発したLEDライトを使って、人工光を用いる閉鎖型植物工場でのタデ藍栽培試験を行う予定。タデ藍は染料としてだけでなく、幾つかの薬効成分も含むことから、無農薬栽培の必要性が高まっており、今後の活用が期待される。
なおこの研究は、平成30年度徳島県地方大学・地域産業創生事業補助金により実施されているものである。
(※) インディカン:インドキシルとグルコースが脱水縮合した化合物。インディゴ(藍色素)の前駆体。
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