独自の養液栽培技術「まちだシルクメロン」新規参入者に対して初の技術ライセンスへ

 独自の養液栽培技術「町田式新農法」にて、高品質メロンの生産・販売を行う『まちだシルクメロン』では、今までに蓄積した技術ノウハウを生かして、新規参入者への設備販売(技術指導も含む)を行っている。

この度、同社から設備を購入した栃木県・那須塩原市にある道の駅「湯の香 しおばら」では、7月12日、メロンの初収穫を行った。来週には直売所にて収穫したメロンの販売を行う、という。

独自の養液栽培技術「まちだシルクメロン」新規参入者に対して初の技術ライセンスへ
町田市で稼働している同社の栽培施設。公式ホームページより
道の駅の運営を行っているアグリパル塩原会では、約100m2の温室ハウス1棟を建設。「町田式新農法」によるユニット式の栽培システムを6台設置した。投資額は750万円となっており、そのうち300万円は栃木県からの補助金を活用した、という。

ハウス内には、メロンが約150個生育している。7月末頃には全てを収穫する。そして8月末には播種を行い、次の収穫は11月を予定している、という。


まちだシルクメロンについて

 2009年、町田商工会議所が町田市内・市外の協力10企業と連携してスタートさせたメロンの水耕栽培。2010年から試験栽培をスタートし、その年には「町田式新農法」として特許も取得した。

そこから商品として出荷できるように、安定生産技術の確立やプロモーション活動を経て、2015年から「まちだシルクメロン」として販売をスタートしている。

メロン栽培では通常、1株から数個しか収穫できないが、同社の水耕栽培では平均して30~40個、多い場合は約60個近くのメロンを収穫できる。

基本的には、植物工場に近い形で、温室ハウス内の温度や養液は自動制御・管理されており、農業経験がない新規参入でも高品質なメロン栽培が可能となっている。

理想の根域環境を実現。養液の流れ・栽培空間にも工夫

 同社の「町田式新農法」では、根の根域環境に特徴があり、植物が定植されている栽培ベッドの中央部から養液が供給され、四角いベッドの四隅に排液穴が設置されている。

独自の養液栽培技術「まちだシルクメロン」新規参入者に対して初の技術ライセンスへ
同社の公式ウェブサイトより


四隅への放射状の流れに、渦やゆらぎがプラスされ、根の生育に理想的な環境を作り出すことができる。こうした養液の流れる方向と、根が全体に広がりやすい空間スペースに工夫があり、水耕栽培の欠点である根腐れもなく、周年栽培と高い収量を実現している。

糖度によってランク付けされているが、最も糖度の高い「プラチナ」ランク(糖度14度以上、重量1.3kg以上)の「まちだシルクメロン」は、21,600円にて販売されている。同社の商品は公式ホームページより誰でも購入することができる。

● まちだシルクメロン http://www.machida-melon.jp/


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