アクアポニクス装置を活用した教育ビジネス。米国ベンチャーKijiji Grows社の取組み

 Kijiji Grows社を始めて紹介したのは2009年末。サンフランシスコのグリーンフェスティバルで同社のアクアポニクス装置を発表した際の様子をお伝えした。参加者からの注目度は高く、様々な質問が飛び交っていた。

同社が開発・提供する商品は、水耕栽培により野菜を育てながら、同時に魚の養殖も可能にするアクアポニクス装置である。

現在は主に、教育分野をターゲットに、様々な場所でアクアポニクス装置を設置しており、最近ではLED照明装置を導入したシステム開発にも取り組んでいる。

また、一部の学校へ水耕栽培システムを寄付するプロジェクトもスタートしている。
同社は、この水耕栽培キットを教育現場で活用することによって、生物学や化学、環境学だけでなく、数学やIT技術、そして起業家精神や自然・水の大切さを学ぶツールとして最適である、とアピールしている。

こうした教育機関(子供たち)をターゲットにするためにも、地元住民(親・子供)が多く参加するイベントに積極的に参加しており、その土地で活動するNPO法人や市民団体、教育機関などとの連携をはかりながら、学校側からの信頼も徐々に獲得しつつあるようだ。


 同社が提案する水耕栽培キット自体は、学校の教室や庭先で簡単に準備することが可能で、組み立てから栽培までの全てのプロセスを子供達と一緒に実施できるように、先生のためのトレーニング・サービスも提供している。

また、生徒同士は自分達の学校だけでなく、他校の生徒とも情報交換ができるように、SNSやITツールを導入したコミュニケーションも進めている。将来的には、学校対抗のアクアポニクス・アイデアコンテストや実験報告会を実施したい、と考えている、という。

同社は、Keba Konte 氏とEric Maundu 氏が共同で立ち上げた企業。Keba Konte 氏は飲食業界出身、Eric Maundu 氏は、ケニアの伝統的な農園で育ち、地元の資源を使用して、最新のテクノロジーを伝統的な技法に組み込むことで、新しい農業スタイルを確立させる活動も行っている。

Kijiji Grows社の概要ビデオ