ベルギーの都市型農業ベンチャー、約1.5億円をかけて屋上ファームを整備。5年後に150カ所の農場を計画

 ベルギーのベンチャー企業「ピーズ&ラブ」では、投資額120万ユーロ(約1億5,000万円)をかけて、主に都会の屋上にて貸農園ビジネスを拡大する計画を発表した。同社は現在、ベルギーのブリュッセルとフランスのパリの2カ所に、屋上ファームを開設している。

ベルギーの都市型農業ベンチャー、約1.5億円をかけて屋上ファームを整備。5年後に150カ所の農場を計画
今回の計画では、ブリュッセルにある「ワールド・トレード・センター」「アウトレットモールCAMELEON」、総合金融機関のBNPパリバ・フォルティスの本社オフィス、パリにあるホテル等の屋上スペースにて、貸農園を整備する。

合計で600区画の貸農園を提供。栽培方式は土耕・自然栽培(有機栽培)となる。1区画あたり3m2、月額利用料は38ユーロ(約5,000円)。栽培可能な作物は、葉野菜やハーブ、果菜類を中心に、一部は果物も含まれており、約70種類としている。

都会の忙しいライフスタイルを考慮して、栽培管理は運営スタッフに任せることも可能で、収穫時期になると作物を取りに来るだけ、といったことも可能。安全安心かつ、有機栽培の新鮮野菜を、スーパーで購入するより、安く提供できることを目指す。

同社の屋上ファームは、稼働して約1年が経過。今までのノウハウを利用して急ピッチに拡大させていく。今後は、さらなる投資資金を確保し、5年以内には150カ所の都市型・屋上ファームの開設を目指す。

同社によると、1年前にオープンしたブリュッセルの都市型・屋上貸農園「275区画」は、既に埋まっており、パリにある貸農園も同様である。

世界的な流れではあるが、特に欧州の都市住民・消費者は「健康」「地産地消」「五感を活用した新たな体験」に、強い関心があり、最もニーズがあるエリアだと確信している。

直近はブリュッセル・パリを中心としているが、将来的にはアムステルダム(オランダ)、ベルリン(ドイツ)、ロンドン(英国)、リヨン(フランス)、アントウェルペン(ベルギー)なども候補地に考えている、という。