JAXA宇宙探査イノベーションハブ『探査ハブ』では、将来の宇宙での食料生産を目指し、月面を想定した「月面農場」(植物工場による食料生産)の実現に向けて、コンセプトを検討するワーキンググループ活動を平成29年3月から約2年にわたって実施し、その報告書を公開した。
これからの「宇宙探査」は、官・民問わず、人類が月や火星に乗り出していこうという機運が高まっている中、探査ハブには地上の植物工場関連の企業・大学から、宇宙農場や月面農場への応用を目指した提案が多く寄せられました。
ところが、JAXAにおける月面農場の検討は、約30年前に宇宙科学研究所で行われたものの、その後は具体的な検討はなされていないのが実情です。
よって、この30年間に発展した地上の最先端の植物工場技術を導入して、今一度、月面農場システムを検討することを目的に、日本の植物工場研究の第一人者の協力を得て、我が国の月面農場ワーキンググループを立ちあげました(委員長 千葉大学 後藤教授)。
検討にあたっては、後藤委員長をはじめ、月面農場等の宇宙農業に関心が高い大学・民間有識者を検討委員として協力を仰ぎ、栽培システム、高効率食料生産技術、物質循環システム、全体システムの4つのグループに分けて検討を行いました。
本報告書では、JAXA/日本が検討する月面農場のコンセプトから、それぞれ技術分野毎の検討結果についてまとめました。この報告書を通じ、月面農場のみならず、地上における植物工場、バイオビジネス等にイノベーションを起こすような研究活動を展開していくつもりです。
月面農場ワーキンググループ検討報告書
http://www.ihub-tansa.jaxa.jp/Lunarfarming.html
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