NASAの植物工場、オスラム社のスマート光源システム「Phytofy」を採用

 世界的なハイテク照明企業のオスラム(Osram)は、独自のコネクテッド園芸研究照明システムのカスタマイズ版である・スマート光源システム「Phytofy RL」をNASAに提供している、と発表した。

同社のシステムは、植物工場を活用して、宇宙空間に滞在中の宇宙飛行士のために新鮮な野菜を生産する研究に利用されている。なお、オスラム社は近年、植物工場ビジネスへ積極的に参入している企業の一つである(関連記事:ドイツOsram社、カナダの植物工場ベンチャーMotorleafを買収)。

NASAの植物工場、オスラム社のスマート光源システム「Phytofy」を採用
NASAにオスラムを紹介したのは、米国にて多数の実績を持つ植物工場コンサル企業のHort Americas社である。同社は大手メーカーと緊密に協力し、北米の温室栽培・植物工場の生産者などに、最も技術的に先進的でコスト効果の高い製品を提案・供給している。

NASAの食料生産研究チームでも、研究のために必要となる照明設備の機能・特徴リストをHort Americas社に提示し、最適な企業としてオスラム(Osram)の紹介を受けた。


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植物工場用のスマート光源システム「Phytofy」独自の特徴

・UVチャンネルにより、研究者は植物の反応や変化を観察するために短時間のUV照射を加えることができる。

・光源の強さ(PPF)をソフトウェアを利用して簡単に調整することができる。PPF(光合成光量子束)は1秒間に光が発する光子の数を計測したもので、植物栽培では標準的に利用されている指標単位である。


米フロリダ州・ケネディ宇宙センターの研究用・植物工場プラントには、スマート光源システム「Phytofy RL」が既に導入された。現状では稼働する栽培キットの1つに導入を予定しているが、今後は稼働する複数の栽培BOXに導入する計画もある。

同社のスマート光源システム「Phytofy RL」は、収量増・収穫期間の短縮を実現するだけでなく、ビタミン等の機能性向上・特定の味・香りを高めることも可能である、という。