中東ドバイの植物工場による水耕野菜の生産事例/1haの大規模施設・オランダ技術を導入

UAEドバイの農業統計情報

 UAEのドバイでは、2000年から10年間をかけて水耕技術を導入した太陽光利用型植物工場のモデルシティになる計画を立てたが、金融危機の影響から計画は順調だとはいえないが、水耕施設も徐々に増えつつある。

UAE全体の人口は2009年7月において、約470万人(最新/2016年には927万人に急増)となっており、その78%は都市部に集中している。

UAEの約1%にも満たない土地が農業用地として利用可能であり、農業分野で働く人は労働者の1.5%程と非常に少ないのが現状である。


 ドバイでは2009年、約10億ドルもの資金を輸入野菜・果物にあてている。ここ2年間で40%もの上昇率である。スーパー売上高の8~12%が生鮮野菜であり、その50%以上が輸入商品である。

また、多くの野菜・果物が取り引きされる場所として、Al Aweer市場があり、700もの小売業者や個人的な輸入業者が集まっている。最近、このAl Aweer市場周辺の人口が急増しており、積荷トラックはここ3年間で261%も増加しているようだ。

中東ドバイの植物工場による水耕野菜の生産事例/1haの大規模施設・オランダ技術を導入
 UAEの9割以上の食料が輸入に依存している、ともいわれているが(※)、急増する人口と食料需要に対して、パキスタンの10万エーカー、スーダンの7万エーカーといった海外農地の獲得に乗り出していることは有名なことである。
いわゆるランドラッシュ(土地獲得競争)と呼ばれているものである。


(※) 政府統計によると、2009年のUAE食料自給率は36%となっており、食料全般/生鮮食品など対象とするものによって自給率の数値は異なる。→ UAE国内生産は加速するのか?! 食料自給率36%、野菜は14%という結果に

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