ブラジルでもハイテク都市型ファーム。アクアポニクスによる環境配慮型農業へ

 ハイテクな都市型農業は米国だけではない。ブラジルでも、高原地帯にて気候も良く、美しい都市としても有名な「ベロオリゾンテ」のショッピングセンター内でも、地元ベンチャー企業が、太陽光利用型植物工場による生産・販売を展開している。

ブラジルでもハイテクな都市型ファームが稼働。アクアポニクスによる環境配慮型農業へブラジルでもハイテクな都市型ファームが稼働。アクアポニクスによる環境配慮型農業へ
ベンチャー企業「ビー・グリーン社」は、米国MIT(マサチューセッツ工科大学)のメディアラボにて実験されている植物工場などを見たことがキッカケで、同社を設立し、ブラジルでもハイテク農業をスタートさせた。

ブラジルでもハイテクな都市型ファームが稼働。アクアポニクスによる環境配慮型農業へ

ブラジルでもハイテクな都市型ファームが稼働。アクアポニクスによる環境配慮型農業へ
MITメディアラボでは、世界中の大学・研究機関や生産施設と連携しながら、植物工場などの生産技術や栽培データを共有・オープン化することで、技術のプラットフォームと新しい食料生産システムの構築を目指している。

環境配慮型の栽培方式「アクアポニクス」を採用

 同社の訴求ポイントは「食・環境問題」の改善。欧米の都市部では普及しているモデルだが、環境に配慮した地産地消モデルを実践する都市型農業は、ブラジルでは数少ない事例である。

広大なブラジルでは、多くの食料を遠方から輸送・輸入しており、同社の試算では、ブラジルにおける生鮮食品の約80%が、輸送中に廃棄されている、という。

上記の数値について細かい条件は不明だが、こうした状況は、米国・中国・インドといったような大国でも、同様の問題が発生していることは間違いない。

弊社が支援した海外農場においても、コールドチェーン・冷蔵車のない輸送形態の場合、産地から都市部まで運ぶだけでも、40-50%の農作物がダメになった状況に直面したことがある。