米国と中国の両国は、植物工場など先進的な農業分野における技術開発などを推進するために連携していくことを公式に発表した。米国の農業や食に関する技術、農業経営ノウハウを活用しながら、拡大を続ける中国市場や将来的にはアジア諸国でのビジネス展開などを両国間が協力しながら行っていく。
※ 米国での投資が集中している完全人工光型植物工場をはじめ、米国が保有する食・農業分野の先進技術を中国市場への導入・農業改革を進めていく。写真は植物工場による野菜の生産・販売を行うファームドヒア社の施設。
米国の農作物・食品について、中国は最大の貿易相手国の一つであるだけでなく、中国側も同様である。例えば、2000年から2015年までに、米国から中国への輸出額は11倍、中国から米国への輸出額は7倍にまで拡大している。
15年前に中国が世界貿易機関(WTO)に加盟してから、米国・中国の両国における農作物・食品の貿易額は年平均17%にて拡大しながら、去年は321億ドルを達成している。
中国では高品質な食品を望む国内消費者が増え、こうしたニーズに対応するために政府としても、既存の農業から脱却をはかり、より高度な農業生産や食のバリューチェーン構築を目指している。
そのために農業分野への補助金・投資を集中させるための政策支援を行うだけでなく、例えば米国のベンチャー企業が中国国内にて、共同研究・共同事業などを行いやすい環境を整備していく方針である。
中国は、米国技術を活用して高品質・安全性の高い食品を生産・普及させていく。その他、農業技術や農業経営に関する協力・連携を強化し、植物工場、IoT・農業クラウド等の最新技術について共同開発しながら、将来的にはアジア諸国へのビジネス展開なども視野に入れている。
今回の農業分野における連携により、米国の植物工場や大規模な露地栽培技術を持つ多くの企業が中国市場に進出する可能性があり、今後の具体的な展開について注目が集まっている。
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