アメリカ疾病管理予防センター(CDC)では4月20日、アリゾナ州のユマで栽培されたロメインレタスについて、大腸菌由来の食中毒が拡大しているため、摂取しないように注意勧告が発令された。
レタスを含む野菜の一大産地であるアリゾナ州では、生産された野菜は全米に配送・利用されているため、アリゾナ州だけでなく、全米の消費者に対して注意を促している。
ロメインレタスは芯・葉の部分などは関係なく、全体が大腸菌に汚染されているため、食べずに廃棄するように指導している。
なお、ロメインレタスを使用したミックス・サラダ、細かく刻んだチョッブド・サラダなども含まれる。
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土耕や温室ハウス栽培、水耕栽培(養液栽培)など、栽培方法には関係なく、全てのロメインレタスが対象となる。屋外の施設にて養液栽培を行っている場合、管理方法によっては安全性を脅かす問題も世界中にて発生している。
こうした背景を受け、各州内にて生産している完全人工光型植物工場では「ローカル」だけでなく「安全性」も訴求ポイントの一つとして消費者へアピールを開始している。
CDCの発表によると、現時点にて判明している情報は、ロメインレタスが原因で、複数の州に渡り、大腸菌由来の食中毒にて病院に行く人が増えている。
3月13日までに、16の州、合計53名が感染した、とのこと。そのうち、約3%は入院が必要な状態までになっており、5名の患者は溶血性尿毒症症候群(HUS)という大腸菌に関連する腎臓疾患にて、命の危険性をともなっている、という。
ただし現時点における死亡報告はされていない。
CDCによる注意事項
- レストランやスーパー等で、アリゾナ州のユマで栽培されたロメインレタスを購入・摂取しないこと。
- 米国内で生産されたロメインレタスにて、産地が記載されていない・わからない場合は、全米の消費者を対象に食べない・廃棄すること。
- 細かく刻んでいる等、ロメインレタスが入っているかどうかわからないような商品も購入しないこと。
- レストランや小売店舗側には、使用する部分に関係なく、アリゾナ州のユマ産のロメインレタスを使用しないこと。さらには、米国内のどこで栽培されているのか、わからないロメインレタスは調達しないこと。
※ CDCによる詳細報告(英語) Multistate Outbreak of E. coli O157:H7 Infections Linked to Romaine Lettuce
https://www.cdc.gov/ecoli/2018/o157h7-04-18/index.html