中東の農業政策・植物工場ビジネスの可能性

 中東では気候条件も厳しく、砂漠化も進み農業が行える農地も少ない。食料自給率も低いことから、植物工場(太陽光・人工光)にも注目が集まり、一部では日本企業の進出も加速している。

今回はUAE、カタール、サウジアラビアの3カ国について、少し古い情報もあるが、各国の農業政策や統計情報について、植物工場ビジネスの可能性を検討する上で、これまで紹介してきた記事を整理しておく。

※ 各記事について、できる限り最新情報に更新・修正しておりますが、記事掲載時点の古い情報もありますのでご了承下さい。


UAEにおける農業政策・植物工場の動向について

 日本企業による人工光型植物工場プラントの導入事例、太陽光利用型や都市開発モデルなど、様々な栽培方式やビジネスモデルにて先端農業が実行されているのがアラブ首長国連邦(UAE)である。

例えば、シャープは完全人工光型植物工場システムにて、イチゴの実証実験をドバイにて開始。丸紅、昭和電工、千代田化工建設の3社が連携して、UAEの財閥企業へ実証プラントを導入。3社がそれぞれの強みを生かしながら業務を分担し、中東市場を中心に海外展開を推進している。

中東の農業政策・植物工場ビジネスの可能性
シャープ、中近東での「植物工場」の事業化に向けたイチゴの実証実験を開始(2013年9月27日)
丸紅、昭和電工、千代田化工建設の3社が植物工場の海外展開を推進。第1弾はUAEドバイに実証プラントを導入(2016年7月14日)

2009年におけるUAEの食糧自給率36%、野菜自給率14%

 2009年の政府統計によると、UAEの食料自給率は36%。政府の経済開発局DEDによる2010年独自調査では、自国内で生産された野菜が14%、穀物が40%、卵や調理用油が50%という結果に。

UAE国内生産は加速するのか?! 食料自給率36%、野菜は14%という結果に(2010年11月25日)

2008年頃から太陽光利用型植物工場による生産もスタート

 2008年~サラタファーム社による生産に続き、青果物の卸売業者であるミラク社による生産もスタート。一部では倒産・撤退事例もあったが、最近ではオランダから最新技術を輸入し、トマトによる太陽光利用型植物工場による量産施設も建設された。

UAE初・最新の太陽光利用型植物工場ベンチャー。来年夏にトマトを初収穫
UAE、36カ所の有機ファームが新設。植物工場ハイテク農業による生産も加速(2010年8月3日)
UAE・ドバイの太陽光利用型植物工場による生産事例「ミラク社」(2010年8月2日)
中東UAE・初めての太陽光利用型植物工場ベンチャー。来年夏にトマトを初収穫(2016年10月18日)

都市開発・グリーンシティ―にドーム式植物工場を建設

 UAEのドバイにて、富裕層向けの都市開発「グリーン・シティ」が建設されている。環境と食をテーマに、住宅の屋上には太陽光パネルを全てに設置、水や廃棄物の100%リサイクルを目指す。

太陽光利用型のドーム式植物工場を建設。住民のコミュニティファームとして機能させ、CSA(Community Supported Agreculture,地域支援型農業)を通じて、各家庭への定期宅配サービスを行う計画


UEAドバイにて ”グリーン・シティ”が誕生。ドーム型ハウスによる農業生産とCSAモデルの普及へ(2016年9月23日)