フランスのパリ市などは、植物工場などのハイテク技術や空き施設・屋上スペースなどを活用した都市型農業・グリーンシティー化を積極的に進めており、民間企業や公的機関が、様々な都市型農業プロジェクトを提案している。また、その一部のアイデアは、具体的なプロジェクトとして進んでいる案件もある。
例えば、パリ近郊にある「ロマンヴィル」では、2つのタワー型植物工場の建設計画が具体的に進められており、生産面積は1,000m2、地産地消の野菜を周辺住民に提供していくプロジェクトである。
本プロジェクトを提案しているのが、フランスを拠点に、世界中にて都市型農業(太陽光利用型植物工場やタワー型といった最新技術を導入したもの)を展開する温室ハウスメーカーCMFグループである。
都市部におけるタワー型植物工場は、都市再生プロジェクトの一環。大きなタワー型植物工場は6階建て、小さなタワーは3階建てを計画しており、両サイドに7mの長い栽培ベッドが導入される。その他、建物地下スペースには、日光を必要としないキノコ類の生産も検討されている。
生産には最先端技術を導入することで、サステナブルな栽培方式を導入。また、都市空間に溶け込むようなデザイン性にもこだわっている。本プロジェクトが現実すれば、1日で12トンの野菜を収穫できる計算になる、という。
太陽光を利用することで、葉野菜だけでなく、果菜類(トマト・イチゴ)や根菜類(ニンジンなど)も生産できる。野菜は周辺のカフェ・レストランで利用するともに、周辺住民に対して低価格で提供される。
フランスでは、その他にも多くの都市型農業プロジェクトがスタートしている。ナント市では、6階と4階建ての住宅屋上に太陽光利用型植物工場の導入が進められている、という。
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