国土防災技術、被災塩害地「純国産フルボ酸」にて農地の土壌改善へ

 国土防災技術株式会社は、同社が開発し、量産化に成功した「純国産フルボ酸」によって、海岸や農地等の塩類集積地に対する除塩を実施しており、2018年6月に福島県で開催された「全国植樹祭」においても「純国産フルボ酸」が使用された、という。

国土防災技術、被災塩害地「純国産フルボ酸」にて農地の土壌改善へ
■「フルボ酸」とは
フルボ酸は、自然界では微量にしか生産されない貴重な資源で、通常は腐植土壌に多く存在します。腐植土壌とは、森林生態系において地上部の動植物により生産された有機物が堆積し、微生物により分解されて土状になったものです。

またフルボ酸は、もともと森林や土壌の中に存在する有機酸の一つで、植物にミネラルを補給する役目を担っています。

フルボ酸は植物が必要とする肥料の交換能力を高め、効率よく肥料吸収を図り光合成量を向上させ、酷暑期の耐性を高める効果もあります。

当社が量産化に成功した純国産フルボ酸は、一般のフルボ酸より活性効果が高い資材であり、国際化粧品素材登録であるINCIコード及び有機JASに登録されており、第16回民間部門農林水産研究開発功績者表彰の農林水産技術会議会長賞(民間企業部門)や第61回森林技術賞を受賞するなど、高い評価をされています。


■東北地方ニラ農家除塩事例
今回は、東日本大震災で津波の被害を受けた福島県のニラ農家さんで除塩を行いました。津波被害+肥料過剰から農地に塩類が溜まってしまい、ニラの栽培には適さない農地になっていました。


■実施結果
対象となる農地に土壌改良材を混合し、フジミン(フルボ酸)を500倍に希釈して散布しました。フジミン(フルボ酸)を散布することによって、農地に溜まったナトリウムを粘土から剥ぎ取って土壌外に排出し、排出したナトリウムを結晶化させることで土壌への再侵入を防ぎ除塩を行ない、健全な農地に改善しました。


フルボ酸散布において改善された土壌分析結果
1 過剰な電気伝導度(EC)の低下 2.85dS/cm ↓ 0.3dS/cm
2 過剰な硝酸態窒素(NO3-N)の低下 89.1mg/100g ↓ 22.4mg/100g
3 過剰な交換性ナトリウム(Na2O)の低下 60.2mg/100g ↓ 5.0mg/100g


また、その他の実験により以下の化学的作用が確認されました。
(1)土壌の熟度を増す効果
(2)アンモニア態窒素を増やす効果
(3)過剰な硝酸態窒素を低下させる効果
(4)リン酸を増やし、リン酸吸収係数を下げる効果
(5)土壌の塩基バランスを整える効果


■現在の状況
この他にも東日本大震災で津波の被害を受けた地域での海岸防災林再造成や、芝生が生えないように改良されたグラウンドの緑化など、様々な分野でフジミン(フルボ酸)を利用して環境改善を行っています。