丸紅、昭和電工、千代田化工建設の3社は共同で、完全人工光型植物工場の海外展開を推進する。その第一弾として3社は、アラブ首長国連邦UAEの最大財閥のAl Ghurair Group(アルグレアグループ)と共同で、2017年1月にドバイで植物工場の実証プラントを導入する。
アルグレアグループが1年間のフィールドテストを行いながら、植物工場での栽培ノウハウの蓄積や中東におけるマーケティングを行うとともに、商業用の大型工場についても導入していく、という。
また、ドバイの本実証プラントを、植物工場の導入を検討している顧客向けのショールームとしても利用し、中東を中心に植物工場の海外展開を推進する。
3社、それぞれの役割として、昭和電工は「S法」と栽培システムを提供。国内や宇宙ステーションでの作物栽培の実証研究で培ったノウハウを活用して千代田化工建設は設計・調達及び管理を実施する。丸紅は植物工場の推進及び市場開拓を担当していく。
S法(SHIGYO®法)
植物が生育するために行われる光応答(光合成、光形態形成など)には、植物の品種と生育時期によって、最適な赤色光、青色光の比率がある。S法とは、昭和電工製のLEDを採用し、最適化された赤色光と青色光を一定間隔で交互照射することにより、野菜の成長が早まり出荷サイクルの短縮、電気代の低減を実現できる栽培法のこと。
【Al Ghurair Groupの概要】
以下の二つのグループから構成されるUAE最大の財閥。
社名 :Saif Al Ghurair Group
設立 :1960年
従業員 :約15,000人
事業内容:製造業、電子機器・装置、不動産、小売等
社名 :Abdullah Al Ghurair Group
設立 :1996年
従業員 :約70,000人
事業内容:金融サービス、製造業、石油・ガス、不動産、ビジネスサービス等
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