【追記:プレスリリースを掲載】丸紅が地下に植物工場の見学・ショールームをオープン(大阪)

※ 参考情報として、本記事の最下部に丸紅(株)のプレスリリースを掲載した。
 
丸紅大阪支社の地下2階にて、土を利用した植物工場のショールームが17日オープンした。約150平方メートルの栽培室には、LEDと蛍光灯の光源で栽培されている。一般的に植物工場と言われているものは、水耕栽培が主流であるが、今回の植物工場は土壌栽培である。
 
 
土壌栽培のメリットは、水耕栽培では難しい根菜類が栽培できることである。(ただし、トマトやキュウリなどの果実類は、まだ技術的に難しいようである)。今回、使用されている土は特別なもので、同社が提携しているベンチャー企業「ヴェルデ」のヴェルデナイト(商品名)を使用している。この他、工場を運営するために、有害な細菌を抑える微生物剤(丸紅のもの)、作業時のスチール棚の移動や照明の操作は、オートメーション設備大手のダイフク(大阪市)の技術を利用している。
 
 
ヴェルデナイトは、保水力の高いピートモス(ミズゴケの一種)を利用しており、ピートモスは一度完全に乾燥してしまうと使用できなくなる、というデメリットを補うために、吸着効果を持つ(水分や栄養分を維持できる)モンモリロナイト(粘土鉱物のひとつ)をコーティングすることで乾燥を防いでいる。ちなみに、モンモリロナイトは、油脂分を吸着する性質を持つので、洗顔料やシャンプーにも使用されているもの。
 
丸紅が地下に植物工場の見学・ショールームをオープン(大阪)
 
土も従来の10分の1の重さであり、持ち運びも簡単にできる。保水力が高い土は、配水タンクや排水設備など大掛かりな設備が不要である。一日に一回程度の少量の水で栽培することが可能。ヴェルデ社は、丸紅との提携で一気に事業を拡大させ、土(ヴェルデナイト)と、それを入れる棚、蛍光灯一式で100平方メートル規模の大きさのものを約2000万円で販売している。電気代などが年間約200万円かかるが、水耕栽培よりも安い、とヴェルデ社の田野島社長は強調している。もう少し大規模で、約330平方メートルのシステムとなると約8千万円電気代などが年間約600万円程度が必要となる。
 
 
今回、丸紅の方では、自社で植物工場による野菜(根菜類や葉菜類)を栽培し、来月にも近隣のそば店やイタリア料理店などへの提供を始め、将来的には食品スーパーにも出荷する方針である。また、ヴェルデ社の土壌を利用した植物工場を、空きビルや倉庫などの空きスペースの有効活用として、販売を拡大していく計画である。ヴェルデ社の2010年8月期の売上高は、2億円を目指している(現在の従業員4名)。水耕栽培では難しかった根菜類(例えば、京野菜など)の栽培も可能であるので、さらなる植物工場ビジネス全体の拡大にもつながるだろう。
 
※ 以下、丸紅(株)のプレスリリースを掲載。

有機人工土壌を用いた植物工場販売事業に参入
 
丸紅株式会社は肥料や水分の保持力に優れた軽量の有機人工土壌『ヴェルデナイト』を用いた土耕式植物工場システム(以下『ヴェルデナイト式植物工場システム』)の販売を開始、この程、同社大阪支社(大阪市中央区本町 2-5-7 大阪丸紅ビル)内にハーブやミニ根菜を量産するショールームを開設しました。
 
植物工場システムは、天候や害虫の影響を受けることなく、定時・定量・定品質・定価格で、無農薬野菜を安定的に供給できる新型農法として注目を浴びています。
 
『ヴェルデナイト』は株式会社ヴェルデが開発したピートモス(コケの一種)に粘土物質をコーティングした特殊な土壌で、園芸用培土の10倍の肥料・水分保持能力を有しながら、重量は10分の1以下という軽量の有機人工土壌です。
丸紅とヴェルデが共同開発した『ヴェルデナイト式植物工場システム』では空きビルや倉庫などといった閉鎖空間に人工照明付きの多段式栽培棚を設置、『ヴェルデナイト』と土壌菌を活用することで、季節を問わず、無農薬・有機肥料のみで野菜を促進栽培できるシステムです。
 
従来の水耕方式は収穫物がサニーレタスなど葉野菜類に限定されることが課題でした。かたや『ヴェルデナイト式植物工場システム』は土耕方式をとるため、水耕では難しかったナスなど果菜類、ゴボウ・大根といった根菜類など、多品目の作物栽培が可能となるのが最大の特徴です。根菜の栽培が可能となることで、将来的には生薬など有用植物の安定生産拠点としての活用も期待されます。
 
国内では、消費地に近接する空きビルや倉庫など遊休施設を保有する企業やビルオーナーに対してトレーサビリティーある安全な野菜の栽培事業拠点として、また、季節ごとに産地を変えて安定的な野菜調達を行う食品加工会社や外食産業に対しては、年間を通じた定品質・定価格の野菜供給拠点としての販売などが見込まれます。
海外では、今後シンガポールなど農地確保困難な国での安定生産拠点としての販売も計画しており、既に水資源の乏しい中東諸国からの具体的引合いも受けています。
 
初年度の販売目標1億円、5年後には40億円の取扱を目指します。
以上
 
 
<株式会社 ヴェルデ>
代表者:田野島昭子
設立:平成12年1月
所在地:神奈川県厚木市岡田3-9-14
業容:ヴェルデナイトの開発・製造を行うアグリベンチャー企業。
ヴェルデナイトは植物工場で使用される以外に、その特徴を生かし、
農地の土壌改良材や屋上・砂漠緑化資材としても使用されています。

<栽培検証品目例>
根菜類 ・ゴボウ・ラディッシュ・辛味大根・ベビーキャロット
葉菜類 ・ブロッコリー・ケール・サニーレタス・フリルアイス
・ガーデンレタス・ベンリ菜・チマサンチュ・チンゲン菜
・エゴマ・コスレタス・オオバ・カラシ水菜 ・小松菜
・イタリアンタンポポ・ルッコラ・スィートバジル
・レモンバーム・ミント・アイスプラント
果菜  ・オクラ・ナス

 
 

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植物工場・農業ビジネス編集部

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