福島県双葉郡広野町は、JA福島さくらと連携しながら、皮ごと食べられる完全無農薬の国産バナナ栽培を行う。震災の影響にて利用されていなかった温室ハウスを利用して実証栽培を行う。
バナナは通常、赤道直下の熱帯エリアでしか栽培できない、とされてきた。
国内で流通する99%のバナナが輸入に依存しているが、近年では、新パナマ病による伝染病の被害も拡大しており、安定供給が難しい場面にも直面している。
栽培農場だけでなく、海外から輸入する際には長期輸送に耐えられるように農薬・防腐剤などを使用することも多いが、国産のバナナは完全な無農薬栽培を実現することができ、安全・安心にも貢献できる。
凍結解凍覚醒法を利用。植物本来の力を覚醒させる
今回の福島県におけるバナナ栽培でも、田中節三氏が開発した「凍結解凍覚醒法」を利用する。
バナナの苗に-60℃といった氷河期を体験・植物本来が持つ力を覚醒させる。耐寒性がついたバナナ苗は、日本のような気候でも栽培することが可能となる。
同氏も技術責任者として国産バナナの生産を行っている農業法人 株式会社D&Tファームでは岡山生まれ・岡山育ちの無農薬栽培バナナとして「岡山もんげーバナナ」ブランドにて販売を行っている。
D&Tファームでは現在、新規参入者向けに、耐寒性作物の販売・導入支援も行っている。提供可能な作物は「バナナ」のほか、青パパイヤ、フルーツパパイヤがある。
同社では今後、パイナップルやイチジクのほか、グァバ、パッションフルーツ、アボカドといった様々な植物に対応していく計画もある、という。
福島県双葉郡広野町では、約800m2の実証ハウスにて、約80本のバナナ苗を定植する。定植後、通常は収穫まで1年半は必要とするが、凍結解凍覚醒法を行ったバナナ苗は、半年で身をつけ、約9カ月にて収穫可能な状態になる、という。
株式会社D&Tファーム https://www.dt-farm.com/
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