台湾における植物工場の市場概要と現状分析

台湾では植物工場ブーム?! 国内に60ヶ所以上の施設が稼働

 弊社では、台湾の植物工場展示会に2013年から3年間連続で参加し、出展企業への継続的なヒアリング取材を実施した。この植物工場展示会は、台湾の世界貿易中心・南港展覧館にて毎年6月頃に開催されており、今年で4回目となる(2012年から毎年開催)。

商業用・家庭用などの様々な用途のLED光源や3Dプリンター、ソーラーパネルをはじめとする「台湾フォトニクス・フェスティバル」の1テーマとして植物工場も展示されている。

また、2015年11月17日からは植物工場のみを単独にした展示会「台北植物工場展示会2015」も開催され、弊社でも調査レポートの発行、ビジネスマッチング視察ツアーを開催した。

・【調査報告】台湾・植物工場の市場規模と参入事例調査2015
台湾・植物工場マッチング視察ツアーの報告/約20年の老舗メーカーから最安値での野菜販売を目指す企業まで

台湾における植物工場の市場概要と現状分析展示会の様子:台湾ではリーフレタス類やアイスプラントの他、日本では見かけることが少ない薬用植物の栽培展示も多く見受けられる】


 台湾は、LED技術において豊富な実績・技術を保持しており、世界におけるLED生産の中心地でもある。約40のLED工場で世界の20%以上を生産している、といわれている。また、政府によって2010年には全ての信号機がLEDに切り替えられ、街灯もLED化が進められている。

そして、液晶TVにおけるLEDバックライト、一般照明用途に続き、台湾のLEDメーカーは今後の成長分野として完全人工光型植物工場に期待を寄せている。台湾メーカーが低コストかつ高性能なLED照明を製造できることから、こうしたノウハウや技術を利用して植物工場事業への参入を検討する企業が増加しているのだ。

参入企業は中小企業だけでなく、世界的にも大きなシェアを持つ台湾のグローバル企業も大きな資金を投下して植物工場を建設、野菜の生産・販売をスタートさせている。

※ 台湾では大型施設の他、家庭用や店舗併設型の商品開発企業も多い
台湾における植物工場の市場概要と現状分析
人工光型に限定した場合、台湾国内の植物工場稼働数は約60ヶ所(大学等の研究施設、民間企業によるテストプラントも含む)となっており、植物工場ブームのような盛り上がりである。植物育成用ライトなど関連部品も含めると植物工場メーカーは100社以上が進出しており、その数は把握できないほどである。