北極に近いカナダのチャーチルという町にコンテナ型植物工場が導入され、生鮮野菜の生産に乗り出す。本プロジェクトを進めているのが、カナダの北極周辺エリアの食料・住居・雇用問題を解決するために設立されたベンチャー企業「Growcer社」である。
同社では、設備の導入・遠隔指導を担当し、実際の栽培や施設管理は現地の先住民族イヌイットの人々が行う。近年、イヌイットの人々の食生活も変化している。長期保存が可能なジャンクフードが普及し、健康への悪影響も懸念されている。
チャーチルの中心エリアでは、小さな食品雑貨店もあるが、消費者は生鮮野菜を頻繁に購入することができない。食品や生鮮野菜は遠方から運んでくるのだが、舗装道路もないような町に届けるためには、大きな配送コストが問題となる。
例えば食品雑貨店にて販売されているロメインレタスについて、店頭では3~3.5ドル程度にて販売されていることが多いようだ。しかし、この販売金額にはカナダ政府の補助金が充てられており、実際に補助金ゼロにてロメインレタスを販売する際には、店頭価格は8ドルになってしまう、という。
遠方から中心部まで約1週間、さらに複数の居住エリアに運ぶために1~2週間が必要であり、荷物到着の知らせは町でもちょっとしたお祭りになってしまうほど。
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