米国をはじめとする世界の先進国では、野菜・食品のカテゴリーでもネット販売が急増している。Amazonでは、Amazon Freshによる野菜・食品のネット販売だけでなく、米国内に5,000店舗以上を展開するホールフーズ(Whole Foods)の買収を行っている。
近年では、大手小売企業もネット販売に力を入れており、米国だけでなく欧州にも広がっている。Googleは最近、フランスにて小売大手のカルフールと提携し、食品のインターネット販売を行う、と発表している。
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日本国内でも首都圏にてベンチャーによるサービス拡大
日本でも、人口が集中する首都圏を中心に、全国の農家と購入者をダイレクトに結び付け、スマホ・アプリで商品選択から決済までの全てを完結、即時配送されるようなサービスを行うベンチャー企業が増えている。
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70~80%の中間マージンをカット、農家の収益向上へ
今までの農作物の販売では、商品価格の2~3割が生産者の利益となっている、と一般的には言われている。つまり、100円の商品であれば、生産者の利益は20~30円といったところだ。
残りの7~8割は、収穫後のプロセス、流通過程の配送業者や卸売企業、そして小売企業の利益マージン・経費が占める、という構造になっている。
こうした現状を改善するため、金融サービスFinTech(フィンテック)が農業分野にも活用され、市場間の流通・卸売企業などの中間マージンを省略することで、農家の収入アップにも貢献できるモデルを提案する企業も増えている。
しかし、物流ネットワークを持たないベンチャー企業が、一般の配送サービスを利用する際には、商品量が少ないため、大きな配送コストがかかり、最終的な提供価格が高くなる傾向にあるのは課題の一つかもしれない。
アフリカにも、Fintechを活用した農業ベンチャーが出現
今回はアフリカ・ガーナにて事業展開するベンチャー企業2社を紹介する。ガーナ政府は、農業分野における技術系スタートアップ企業の支援を行っており、国の主要産業である農業に特化したベンチャー企業のビジネスコンペが開催され、国内外の投資家やパートナー企業とのマッチングイベントが定期的に開催されている。