Qatar National Food Security Programme(QNFSP)のFahad Al Attiya 氏によると、中東湾岸地域では、限られた耕作地帯と水資源によって農家が負担するコストが大きく、こうした課題解決のためにソーラーパネルなど、最先端の技術導入がカギである、と回答している。
カタールでは、必要とする食料の90%を輸入に頼っており、周辺国(湾岸地域)は軒並み、同じような状態である。
こうした現状について、カタールではソーラーパワーを使用することで、農作物に十分な農業用水の供給を可能にした耕作地を、国内に増加させることを計画している。
アラブ地域では、魚や一部の野菜を除いた全ての農作物が基本的には不足しており、食料品の輸入と輸出のギャップは、2008年には225億ドルにも上っている。アラブ地域全体における食料品の輸出が105億ドル、輸入が330億ドルとなっている。
この不均衡状態は過去10年をさかのぼっても同様で、2000~2008年の9年間における、累積ギャップは1555億ドルにもなる。
こうした食料安全保障について、資金的余裕のある中東諸国では海外農地の獲得を積極的に進めているようだが、カタールだけでなく、UAEやサウジアラビアでも、技術導入すれば国内にも多くの耕作地があり、国内農家に対して補助・支援すべきである、と主張している専門家も多い。
※ 統計データ等: the Arab Monetary Fund (AMF), Arab Organisation for Agricultural Development (AOAD)