テキサスA&M大学のAgriLife Researchでは、赤外線・熱画像カメラを搭載したドローンが、農場にいる家畜の体温を計測することで、食欲不足や感染症といった明らかな症状として現れる一歩手前で、体調不良を予知できる研究を行っている。
本技術の実証は、テキサス州のアマリロにある牛の肥育場にて実施。従来よりも早期発見につながり、家畜への抗生物質などの投与を削減、安全かつ高品質な食肉を提供することができるようになる。
ドローンを活用した家畜の体調診断について、出産や重症につながるような特定の病気以外は、ピンポイントにて原因・病名を明らかにすることは、現時点の技術では難しい。
しかし、赤外線・熱画像カメラだけでなく、様々なセンサーと膨大なビッグデータをAIによる解析・診断ができるようになれば、近い将来、特定の行動・体調によって、ピンポイントに原因を診断できるようになる、という。
獣医の中には、既に、こうした画像診断を活用する取り組みが行われている。牛の歩行障害を診断する際、毎日の体温変化や熱画像データが参考情報として利用されている。
現在では、ごく一部しか利用されていないが、各センサーやドローン技術、ソフトウェア開発が進むことで、数年後には一般的に普及する、ともいわれている。
テキサスA&M大学のAgriLife Researchでは、農業分野にて米国でもトップの研究機関である。6年連続で米国政府より研究予算を獲得しており、200以上あるAgriLife分野の大学ではトップに位置付けられている。
アメリカ国立科学財団によると、2017年における本分野の研究予算は1億9,200万ドル(約215億円)となっている。
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