京都府立大学・精華キャンパスでは2012年4月、エコタイプ次世代植物工場(パイロット工場)が完成した。太陽光発電と燃料電池で必要な電力をすべて調達可能な施設となっている。
同施設は2009年に閉園した「花空間けいはんな」のフラワーショップ棟(鉄骨平屋建て 約210 m2))を京都府が2011年度に5,000万円で整備したもの。
太陽光発電パネル144枚を導入し、1時間当たりで最大約30kwの電力を確保でき、燃料電池1基で約700W/時間を発電する。LED光源による植物工場では、電池が排出したCO2を回収、作物に供給するシステムもある。
本パイロット施設を活用する民間企業を募集、研究会によるコンソーシアムを構成した。今後は、ビタミンCやポリフェノール類の抗酸化成分を多く含む機能性野菜の研究を主要テーマにしていく、という。
特色
・太陽光発電と燃料電池ですべての電力をまかなう
・LED の使用による低電力・高効率の作物育成
・水の循環再使用により、水路のない所で農業生産が可能
・健康機能性成分を多く含む作物の栽培条件を設定できる
・完全無農薬栽培, 低ランニングコスト
・肥料成分は使いきり、環境に放出しない
・低硝酸塩野菜を栽培可能
・完全自動化運用をめざす
※ 京都府立大学 グリーンイノベーション施設 ウェブサイトより
Editor's Picks
-
田んぼに浮かぶホテルがコンセプト、スイデンテラスがリニューアルオープン
-
緑演舎による造園家がプロデュースする個人住宅向け「GARDENNERS HOUSE」事業をスタート
-
ミラノ都市部で自然に囲まれたオフィス空間を実現。ハイテク企業や研究者のハブ施設へリニューアル
-
シンガポールの高層住宅タワーをリニューアル。屋上には住民参加型の菜園も整備
-
メルボルンに駐車場スペースを活用した屋上農園「スカイファーム」が来年に完成
-
台湾の青果市場、屋上に農場を導入した最新施設として2020年に完成予定
-
ロンドン、屋上に植物工場ファームを併設した地元フードコート施設を開設
-
UAEの陸上養殖ベンチャー『Fish Farm社』サーモンなどの魚を本格販売へ
-
カナダの大学が連携。クリーン・エネルギー技術を活用した『高層タワー型の植物工場』を計画
-
海面上昇の対策、海洋に浮かぶ街「フローティング・シティ」食料やエネルギーの自給自足を実現