ホーチミン市・個人農家の組合化にて所得向上へ。ベトナム版GAPも1,500戸の農家が取得

 ベトナム・ホーチミン市では、郊外の周辺エリアも含めた都市農家に対して、様々な支援策を通じて所得向上をはかっている。今後は、個人農家が82%を占める現状を改善し、組織化・組合化を進めていく。

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ホーチミン市・個人農家の組合化にて所得向上へ。ベトナム版GAPも1,500戸の農家が取得
既に、ホーチミン市の農業組合が、各エリアにある農家の組織をはかり、個人農家と比較すると10~30%の所得向上を実現している。

組織化することで量を確保しながら、販路開拓の交渉を有利に進めるとともに、共通施設の運営や共通ブランド化によるコストダウン・付加価値向上を通じて、農業のビジネス化(農業経営)をはかっている。

次世代農家の育成へ。既にベトナム版GAP取得農家は1,500戸以上へ

 都市住民を対象にするビジネスでは、高付加価値・多様なニーズに応える様々なビジネスを展開できる可能性がある。

多くの都市農家が、新しい技術を導入しながら、観賞用植物・熱帯魚、安全性の高い生鮮野菜などを生産する傾向が強いようだ。

ホーチミン市では、農家支援ファンドを見直し、単なる貸付ではなく、次世代農家の育成にも力を入れている。例えば、年間1,200戸の農家に対して、最新農業を実践する施設訪問や技術指導・研修を通じて、個人農家にも高度な農業ビジネス・スキルを取得してもらう取組みを行っている。


数年前から農業改革に取り組むホーチミン市では、その成果が徐々に表れている。2017年における1ヘクタールあたりの農家所得は約225万円となっており、2013年と比較すると、約1.6倍にまで増えている。

また、2013年~2018年にかけて、支援ファンドを通じて19,600戸以上の農家へ資金を支援(貸付)しており、市内にある多くの都市農家を改善した、という。

都市農家は、資金をもとに、大規模化・機械化を進め、安全性の高い野菜を生産する事例も増えている。都市住民は安全性の高い食品を求める傾向があり、ベトナム版のGAP認証を1,500戸の農家が取得している。


ホーチミン市の農業組合では今後、都市農家と各政府機関、民間企業、銀行・金融・流通、そして、大学などの研究機関との連携をはかり、個人農家が、農業をビジネスとして(農業経営)展開する支援を行っていく。

目標としては、2017年の農家平均所得が、約23万円だったものを2023年までには、約31万円にまで向上させたい、という。