植物工場を展開する英国アストウッド社、フィンランドのLEDメーカーと提携

 英国にて完全人工光型植物工場を展開するアストウッド・インフラストラクチャーは、フィンランドを拠点に、施設園芸や植物工場向けLED照明の製造・販売を行うNetled社と提携した。

具体的には英国市場にて新設する植物工場に対して、LED照明などの優先販売契約を実施する。契約期間は3年間を予定しており、契約規模は約12億円(1,000万ユーロ)。

アストウッド社では既に、英国レディッチ(Redditch)にて実証プラントも建設・稼働させており、年内にも自社、あるいは新規参入企業に対して、大型の商業施設の建設を計画している。目標としては今後3年間で4カ所としており、1施設あたりの生産規模は1日1万株(リーフレタス換算)以上の大型施設を想定している。

植物工場を展開する英国アストウッド社、フィンランドのLEDメーカーと提携
アストウッド社は、環境や食などのデザインやエンジニアリングに特化した技術系企業であり、以前にも紹介した植物工場とビール製造設備を融合させたシステムの開発を行っているベンチャー企業である。

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植物育成用の専門LEDメーカーと連携・英国市場を狙う

フィンランドのNetled社は、25年に渡って太陽光利用型植物工場にてトマトの生産を行うEsa Kivioja氏によって、2007年に設立された企業であり、フィンランド国内だけでなく、欧州や米国、日本でも採用実績を持つ。

植物工場を展開する英国アストウッド社、フィンランドのLEDメーカーと提携
近年では完全人工光型植物工場のシステム開発に力を入れており、自社での実証施設の他、複数の施設に納品実績を持ち、同社のシステムは「Vera」というブランド名にて販売を行っている。

植物工場を展開する英国アストウッド社、フィンランドのLEDメーカーと提携植物工場を展開する英国アストウッド社、フィンランドのLEDメーカーと提携
また、同社ではLED照明だけでなく、設備プラント全体や環境制御のためのソフトウェア、省力化を実現する自動化オートメーション設備の開発も行っており、植物工場に関する高い技術ノウハウと、それを実現できる製造技術を保有している。

英国のアストウッド社でも、自社システム「Vertivore」として、完全人工光型植物工場の設備プラントの販売をスタートさせたばかりだが、植物育成用の専門LEDメーカーと連携することで、英国市場でのプラント建設を加速させていく狙いがあるようだ。