米国NYのキノコ生産ベンチャーLeep Foods社、分子レベルでの科学的な研究開発へ

 米国ニューヨークを拠点にキノコ栽培をスタートした「Leep Foods社」。同社はニューヨーク郊外にある、約464m2の倉庫内にて高付加価値・機能性の高い「キノコ」商品を生産し、周辺のレストランやWegmansといったスーパーマーケットに販売を行っている。

現在は、2種類のキノコ生産に特化しており、1つは「コーラル・マイタケ」。サンゴ礁のような形をしている大きなマイタケで、その栄養価・機能性にも注目されている。

もう一つは「ブルーオイスター(ヒラタケ, blue oyster mushrooms)」で、表面が光沢のあるキラキラした色をしているキノコである。販売する商品は米国農務省USDAによるオーガニック認証を取得している。

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キノコ消費量が急拡大。
ベジタリアン・ダイエット健康目的にも最適

 ニューヨークでは、キノコ消費量が増えている。多様な食ニーズに対応するためキノコ食材に注目。ベジタリアン向けや、「ダイエット中だけど、肉が食べたい」といったニーズに対して、食感も肉に近く満足感のあるキノコ・バーガーを提供するレストランも増えている。

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希少品種キノコ、分子レベルでのキノコ栽培へ挑戦

 同社のキノコ栽培では、品種や生長ステージに合わせて、温湿度、光などをコントールしている。ただし、基本的には全て手作業にて管理している。

その他、菌を定着させる培地の役割を果たす「おがくず」の比較試験も行いながら、キノコの生長や香り、色、機能性などを分析した科学的な生産方式を採用。

また、自社ブランド商品の認知度アップのため、地元レストランと連携しながら、自社キノコを利用した料理の試食会イベントも定期開催している。栽培方法や、オーガニックにて生産された栄養価の高いスーパーフードであることを訴求していきたい、という。


 今後は、希少品種の栽培にも挑戦していく。同社によると、例えば、コロンビアの熱帯雨林に生えている、ガーリックのような強い香りするシイタケもある、ようだ。

単純にキノコを生産する企業ではなく、外部の生物学者・栄養学の研究者と連携しながら、菌の研究、機能性・栄養価の科学的な分析、といった分子レベルでのキノコ栽培ベンチャーを目指していく。

現在は、ミネラルや抗酸化物質、さらには免疫系にも良い効果がある、とされるβグルカンといった成分を向上した「キノコ」商品の開発を計画している、という。