2017年に設立した米国カリフォルニア州のサンフランシスコを拠点に、自動の草取りロボットのシステム開発を行うFarmWise社は、2019年末に商品の販売を予定している。
シリコンバレーにて起業した同社は、2017年末には、プロトタイプ型の研究開発のため、約570万ドルの資金調達に成功。穀物など市場規模の大きな作物を、大規模な露地栽培にて生産する農家をターゲットとしている。
米国だけでなく、世界中で安価な労働者の確保が難しくなっている現在では、自動化設備・ソフトウェアに資金を投じる生産者が増えている。
また、無農薬・減農薬といった野菜の需要が高まっている中で、同社が開発する自動除草ロボットは大きなポテンシャルがある、と考えられている。
同社が開発するロボットは、栽培している植物と雑草を区別し、雑草のみを取り除くことができる。既に、カリフォルニア州の大規模農家へ実証試験のために導入されており、今年末には10数台を正式に販売する予定。
現時点において、限られたスペースでは十分に機能しているが、今後は数ヘクタールから数十ヘクタールといった大規模農場でも稼働させて検証していく。
大規模農場における自動化システムの精度確立の他、デザインの決定、システム不具合の修正などが直近の課題として挙げられている。
自動運転技術に関する、技術ノウハウを持つ企業との連携
同社が開発している製品は、自動運転などモビリティー・交通システムの開発を行う「PlanetM」に接続する形で開発が進められている。その他、自動車(部品)の製造や高級デザイン車やレースカーなども手掛けるラウシュ・インダストリーズ社(Roush Industries)からも技術協力を受けている。
ラウシュ・インダストリーズ社(Roush Industries)は、Googleなどの米アルファベット傘下である自動運転車を開発するウェイモ社(Waymo)とも10年前から共同開発を行っており、今までに蓄積した自動運転の技術ノウハウが、農業分野でも十分に生かされている、と主張している。
将来的に、FarmWise社が狙うのは、その他の農業設備に関するアプリケーション・システムの開発である。例えば、自動潅水・施肥システムに導入することで、無農薬の植物・野菜を、作物の栽培環境を最適化することで安定生産にもつなげていきたい、という。
FarmWise社: https://farmwise.io/
PlanetM: https://www.planetm.com/
ラウシュ・インダストリーズ社(Roush Industries): https://www.roush.com/