スマイルリーフスピカの完全人工光型植物工場、蛍光灯からLEDの栽培切り替え実験へ

 北陸機材の子会社であるスマイルリーフスピカでは、自社運営する完全人工光型植物工場システムについて、今月末からLED照明のみを使用した栽培実験を行う。

経産省などが2009年に公表した調査によると、全国の完全人工光型植物工場34施設のうち、育苗から生育まで全ての生産工程にて、LEDだけを使用している工場は存在せず、LED光源と蛍光灯の併用は3施設のみであった。

補助光として赤色LEDを使用していた施設は、弊社の調査でも上記の3施設より多く存在したが、LEDのみで栽培する工場は珍しい。現在は実験レベルだが、将来的にはLED照明が主流になることを見越しての対策であることは間違いない。

スマイルリーフスピカの完全人工光型植物工場、蛍光灯からLEDの栽培切り替え実験へ
 2004年という早すぎる時期に参入し、2007年に倒産したコスモファームでは、赤色LEDのみで栽培していたが、経営管理ミスだけでなく、過剰な初期投資コストが大きな負担になっていた。

今回のLED植物工場の実験全体の予算は1,100万円。LEDの購入費や成分分析費用の一部で補助を受ける計画。


植物工場にLED 北陸機材子会社、今月末から栽培実験

 同社の植物工場では食べる前に洗う必要のない無農薬野菜を生産しており、試験は葉物野菜の「グリーンリーフ」など6品目を対象に実施する。

工場の一角で従来の蛍光灯を設けた棚とLED計240本を備えた棚を用意して比較する。好影響を与えるとされる赤、青2色のLEDを使用する割合を変え、点滅させて電気使用量を減らす照射方法も試す。

収穫後、成分含有量や栽培日数など6項目について調査し、最適な栽培方法を見つける。試験は農林水産省の支援事業に採択され、LEDの購入費や成分分析費用の一部で補助を受ける。試験全体の予算は1100万円を見込んでいる。