米国Living Greens、垂直式・噴霧栽培の植物工場プラントを拡大

 垂直式の完全人工光型植物工場システムにて、リーフレタス等を生産する米国Living Greens Farm社では、現在の生産施設を拡大し、量産体制を確立する。同社はミネソタ州フェアリボーの空き倉庫を活用して植物工場を稼働させている。

同社は、自作にて栽培棚を組み上げて、家庭菜園レベルで5年前に試験栽培をスタート。2014年頃から本格的な多段式・水耕栽培にて、様々な技術開発を行ってきた。

米国Living Greens、垂直式・噴霧栽培の植物工場プラントを拡大 他社の植物工場では平面多段式が多い中で、同社が提案するシステムは垂直式タイプの噴霧式の水耕栽培。

培地はロックウールを使用し、植物の根に対して、養液は必要量を最適なタイミングでミスト状の噴霧式で供給する。

垂直式・噴霧栽培では、植物に十分な酸素が確保でき、養液の吸収量も良く、成長も早い。常に植物の根が養液に浸かっている一般的なNFT・DFT式の水耕栽培より野菜の香りも強い、という。

同社では、こうした独自栽培技術について、2つの特許を取得し、10の特許を出願中である。

各生産ユニットの初期投資は5万ドル。現在の生産規模は100株/day程度

米国Living Greens、垂直式・噴霧栽培の植物工場プラントを拡大 現在は垂直式の栽培システムが10台稼働しているが、8月中には、さらに30台を追加して9月には量産体制を確立する。現在の生産規模は、リーフレタス換算で日産100株程度となっている。

各栽培ユニットの面積は、床面積30m2に設置され、植物は落下しないように斜めに定植されている。垂直式にすることで、全体の栽培面積は90m2ほどを確保できる点がメリットの一つ。

各ユニットの初期投資は5万ドル。ここには、天井部に設置する植物育成用ライトや噴霧式の養液循環システム、環境制御システムなどの設備一式が含まれ、小規模な生産者でも儲かる技術・事業モデルを提案している。