植物工場や節水技術「環境適応型農業」
グローバル市場規模は2015年で20億ドル
国内では農業改革が推進され、AIやIoT、ビッグデータといった次世代基幹技術の活用が期待される農業分野。海外に目を向けると、ハイテク技術を駆使した近代的節水農業により、世界随一の農業国へと発展を遂げたイスラエルのように、少ない雨量などの気候に適応し、農業イノベーションを実現した例などが見られます。
また、日本の大企業でも東レとニットメーカーのミツカワが土壌の代わりとなる筒状の繊維「ロールプランター」を用いて南アフリカで砂漠の農地転換に成功し、パナソニックと京都大学が「水をはじく砂」による砂漠農業の実現と海外展開を目指すなど、地理的条件に限定されない農業ビジネスを創出しようとする動きが起こりつつあります。
このように、自然条件や気候変動に適応、あるいは人工的に自然条件を創出する技術を適用した「環境適応型農業」のグローバル市場規模は2015年で20億ドル、2025年時点で80億ドルと見込まれています。
日本では大企業が先頭に立つ形で海外での実証実験などが行われつつある環境適応型農業ですが、国内外の大学・研究機関やベンチャー企業、クラウドファンディングなども巻き込んだイノベーション・エコシステムの構築に関しては、未だ模索段階にあります。
アスタミューゼ株式会社では、研究テーマ・クラウドファンディングプロジェクトを、それぞれ研究フェーズ・製品化フェーズのアイデアと捉え、「環境適応型農業」におけるイノベーションの動向を分析、その結果をご紹介します。