アイルランドの首都ダブリンにあるベルヴェデーレ・カレッジ(中学・高校一貫校)では、学校の建物・屋上スペースに植物工場・アクアポニクスの実証施設を運営している。
施設は、天井部からは自然光も活用しながら、多段式(タワー型)、植物工場やアクアポニクスなど、様々な栽培方式を採用し、多くの食料を生産している。
本屋上ファームは、公式に教育プログラムに組み込まれており、科学的な農業や食育、都市部での環境保全・生物多様性やグリーンテクノロジーに関する総合的なテーマを学ぶために、周年利用されている。
施設内における温湿度、養液内のpH、EC、溶存酸素などは全てモニタリングされており、生徒たちが記録しており、科学農業を実践している。
生産品目は、葉野菜だけでなく、トマトやイチゴなども栽培している。モヤシなどのスプラウト類では、ハーブ野菜だけでなく、日本版青汁といわれている栄養価の高いウィートグラスも試験的に栽培している。
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屋上ファーム内の導入設備や生産品目を以下のような形となっている
- 6kWの太陽光パネル
- 雨水収集システム→水資源の確保
- ミミズなどを利用したコンポストも設置
- 葉野菜、スプラウト類(栄養価の高い野菜)、トマトやイチゴ
- その他、花やジャガイモ、ティラピアなどの魚
今後は、投入する資源・エネルギーを減らすため、魚(ティラピア)のエサを確保するため動植物プランクトンを培養し、雨水と自家発電のみで、多くの食料を生産するのが目標。
養蜂や将来的には鶏卵の飼育も計画しており、合計で140種類ほどの食料を屋上ファームで生産していく計画。また、生産された食料は生徒たちに食べてもらう機会を増やし、「食」への興味・関心を持たせるための工夫も行っていく。
今回のベルヴェデーレ・カレッジが実践する都市型農業プログラムは2017年1月、UAEのアブダビで開催された「ザイード未来エネルギー賞」を受賞し、賞金10万ドルが贈呈されている。
この賞金は、屋上ファームの規模拡大や試験項目を増やすために利用されている。このように本校の取組みは、世界中から注目されており、今後の実証結果にも期待が集まっている。
※ 写真:ベルヴェデーレ・カレッジの都市型農業プログラムより
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