自閉症の大人に対して、ジョブ・トレーニングや、雇用機会の提供などを行うNPO団体「リード・ネクスト」は、Greens Do Goodビジネスをスタートさせ、完全人工光型植物工場による野菜の生産を開始した。
ニュージャージー州・ハッケンサックを拠点とする同団体では、既存の建屋にある約300m2のスペースに植物工場システムを導入した。
既に、ワサビ・マスタード、チャービルやディルといった香り・味にインパクトのあるミニ野菜「マイクログリーン」の栽培からスタートしており、次にバジルやリーフレタス、ケールといった野菜の生産も行っていく。
生産した商品は、地元のレストランやバー、食品関連の施設などに直接販売していく計画である。
近年、米国でも自閉症患者が増えており、子供のうちは支援団体も多いが、大人になってからは、社会進出や普段の生活を送るために、十分なサポート・サービスを受けられないことが多い。
同NPO団体があるニュージャージー州では、比較的、自閉症の人が多い地域となっており、子供の34人に1人が、自閉症に関する何らかの症状を持っている、といわれている。
そこで、NPO団体では植物工場による野菜の生産・販売を通じた雇用機会の提供をスタートさせた。特に人工光型では、地元産の新鮮野菜を周年で供給することができ、1年を通して、安定的な収入と雇用を確保することが可能だ。
こうした植物工場による地産地消型の野菜は、都市部を中心に米国でも人気を得ている。
調査機関によると、米国における植物工場野菜の市場規模は、2024年に30億ドル(約3,352億円)にも膨れ上がる、と予測されており、同NPO団体では、社会貢献型という新たな価値を付与した商品として訴求していく、という。
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