国際連合食糧農業機関(FAO)は、12月の食料価格指数が2008年の水準を超え、統計を開始した1990年以来、最高値を記録したと発表した。食料価格指数(Food Price Index)には、砂糖や食用油、穀物や食肉、日用品などの国際価格取引から算出されている。12月は先月より4%上昇し、これまで最高だった2008年6月の数値を上回っている。
公表されている数値データを見ると、砂糖や食肉の価格は最高値を示しており、穀物は2008年の最高水準に戻っている。こうした価格の上昇は今後も続く危険性が高い、と同機関のエコノミストや各専門家も警告している(例:貧困や食糧難に関するリサーチ等を行っているOxfam America など)
今後も上昇傾向が続く理由として挙げられるものは、現在も続いているアルゼンチンの干ばつ、オーストラリアの洪水、北半球で多発する寒波などである。特に、オーストラリアは世界第4位の小麦輸出国であり、食料価格(穀物)に大きな影響を与えていることは間違いないだろう。
そして、2008年の食料価格の高騰でも発生した暴動が世界各地(途上国)で起きる可能性もあるだろう。例えばハイチでは4人、カメルーンでは40人もの犠牲者が出たことは記憶にも新しい。このように、いつも影響を受けるのは途上国の人々である。その他、インドでも食料価格が年率換算で18%上昇し、約1年ぶりの高値に達しており、中東地域でも玉ねぎ価格の高騰が問題となっている。また同時に、オイル価格も上昇していることにも注意が必要であるだろう。