佐賀県「多良岳」 ボックス式・水耕栽培による無農薬ワサビを生産

 佐賀県の農事組合法人「多良岳」では、多良岳山系の地下水を使い、無農薬ワサビの水耕栽培を行っている。渓流やわき水を使う水ワサビ(沢ワサビ)栽培と比べて労力が少なく、短期間で安定した収穫が見込めるという。

同法人は2008年に設立。農林水産省の交付金や県、町の補助金などを受け、総事業費は約2億2,000万円となっている。

ワサビの水耕栽培に関する技術は、岐阜県にある株式会社フォス(現在、事業閉鎖しております)から指導を受けた。約1.5haの水田を借り、1m四方で深さが35cmの栽培箱を約3,000個導入。1箱にワサビ苗を16株ほど定植した。

佐賀県「多良岳」 ボックス式・水耕栽培による無農薬ワサビを生産
地下100mから、くみあげた水は、一年中15~16℃で安定しており、ワサビの生長も早い、という。2010年は約32,000株のワサビ苗を定植し、既に半分は出荷済み。

今後は、多良岳わさびのブランド化を目指すとともに、わさび栽培を通じて、過疎化地域の活性化を目指していく、という。

写真: 株式会社フォス, 農事組合法人「多良岳」のウェブサイトより


[関連記事]
金印、植物工場による本ワサビ生産技術を確立
ワサビ加工・製造のマル井、信州大学と連携して植物工場によるワサビ苗の試験栽培へ