地下スペースを活用したスギゴケの植物工場。育成期間を従来の4分の1へ短縮

 植物工場の研究開発拠点として認定されている大阪府立大学では、店舗併設型・植物工場を展開するサブウェイの2号店が研究センター内に出店するだけでなく、完全閉鎖にてスギゴケの栽培実験を行う等、非常に興味深い研究開発を進めている。

スギゴケ栽培の研究では、六甲山系の土砂を運ぶために敷設された地下のベルトコンベヤーの一部を栽培スペースとして活用。スナゴケは土が不要で、雨水だけで生きられるほど生命力に優れており、ビル屋上や壁面緑化による都市部のヒートアイランド緩和の一助になると期待が集まっている植物である。

地下スペースでは、一年中、室温が一定で生育に適しており、約40メートルにも及ぶマット上で栽培されている。一般的な植物工場と同様に、コンピューター制御にて潅水・光源などを調整し、ウェブ上で生育状況を監視している。

冬でも枯れないスナゴケを建物の緑化に利用する製品はこれまでも存在したが、大きく栽培するまでに2~3年は必要であったが、植物工場による周年生産と最適環境下の実現により、従来の4分の1の期間で育成できる、という。

屋上緑化は、工場立地法が改正され、敷地内に義務付けられた緑化が屋上でも可能になったこともあり、都市部を中心に拡大しているため、こうした需要拡大を狙って、低コストで栽培できる技術確立を進めている。